大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和38(あ)2078 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人西山義次の上告趣意第一について。

所論は単なる訴訟法違反、事実誤認ないしこれを前提とする単なる法令違反の主

張であつて、(なお被告人の検祭官に対する所論供述調書が任意性を欠くと認むべ

き資料は存しない)適法な上告理由に当らない。

同第二について

所論は量刑不当の主張であつて適法な上告理由に当らない。

弁護人正木亮、同石川芳雄の上告趣意第一点について。

所論は違憲をいうけれども、憲法三七条二項は、裁判所は被告人又は弁護人から

申請した証人は、不必要と思われる者まで悉く訊問しなければならないという趣旨

ではないこと当裁判所の判例(昭和二三年(れ)第二三〇号、同年七月二九日大法

廷判決、集二巻九号一〇四五頁、昭和二二年(れ)第二五三号、同二三年七月一四

日大法廷判決、集二巻八号八五六頁)とするところであるから、所論は理由がない。

同第二点について

所論は単なる訴訟法違反、事実誤認の主張であつて、(なおA、B及び被告人の

検祭官に対する所論各供述調書が任意性を欠くと認むべき資料は存しない)適法な

上告理由に当らない。

同第三点について

所論は量刑不当の主張であつて適法な上告理由に当らない。

弁護人大竹武七郎の上告趣意第一について

所論は要するに、原判決は、令状なくして違憲違法の押収手続により押収された

物件を証拠として、その支持する第一審判決判示第三の事実を有罪と認定している

- 1 -

から、原判決は憲法三五条に違反する旨主張する。しかしかかる論旨は、原審で主

張も判断もなかつた訴訟手続に関する主張であるから適法な上告理由に当らない。

(昭和三五年(あ)第一七二一号、同三六年七月一九日大法廷決定、集一五巻七号

一一九四頁参照)。

同第二について

所論のうちには憲法三七条二項違反をいう点があるけれども、その理由のないこ

とは弁護人正木亮、同石川芳雄の上告趣意第一点に対する判断として示したところ

であり、その余の論旨は単なる訴訟法違反、事実誤認の主張であつて、(なお所論

検察官に対する各供述調書の任意性については同上弁護人等の上告趣意第二点に対

する判断参照)適法な上告理由に当らない。(所論引用の各判例は事案を異にする

本件には適切を欠く)。

同第三について

所論は審理不尽、事実誤認の主張であつて適法な上告理由に当らない。

弁護人本村善太郎の上告趣意書は、期限後提出にかかるものであるから、これに

ついては判断を加えない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三九年八月二八日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 助

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!